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映画「日本の黒い夏 冤罪」松本サリン事件で冤罪被害が起こったのは一体なぜなのか… [映画]

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「日本の黒い夏 冤罪」2000年日本映画

★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

監督 熊井啓

出演者 中井貴一 細川直美 寺尾聡 遠野凪子

1994年6月の夜、松本市で毒ガス事件が起こる。
多数の死傷者を出したこの事件で第一通報者が疑われる。
警察は家宅捜索を行い、薬品類を押収。
マスコミ各社は一斉に彼を容疑者扱いとする記事を出す。
当の本人は毒ガスを吸ったために入院中。
警察は犯人ありきで捜査をし、確固たる証拠もないまま彼を重要参考人として聴取する。




松本サリン事件を基にした映画。

原作は、高校の放送部が冤罪をテーマに取材したドキュメンタリーを本にしたもの。
ほぼほぼ実話と言ってもいいみたいね。

この事件は初めてサリンという言葉を知った事件でもあった。
当初、第一通報者が容疑者とみなされ、家宅捜索まで受ける。
その際、当事者はまだ毒ガスの影響で入院中だった。

初めから犯人ありきで始まった捜査のため、マスコミ各社に警察関係者が漏らす話の中にはいい加減なものが混ざっていた。
それをそのまま事実として報道したマスコミ。
その報道を鵜呑みにして、彼を犯人だと糾弾し始めた市民。
駐車場で夜作業服を着た人たちがいたとか、白い煙が出ていたとかという情報は黙殺されたらしい。

その夜、自宅の庭で除草剤を化合していたとされた第一通報者。
容器を隠すよう息子に指示しただとか、事実無根の話により警察、マスコミはますます彼を疑う。
しかし現実には、彼はその夜新聞を読みテレビを見ていた。
ある筋からの話だとか、確かな人からの情報だとか、警察は彼の事情聴取でさも本当のことのように彼を尋問。
自白へと誘導しようと必死だった。

この映画は高校の放送部がドキュメンタリーを撮りたいと、サリン事件の一年後に地元テレビ局を訪れることから始まる。
これは実話らしい。
他のテレビ局は取材を断ったのに、地元の小さなテレビ局だけは取材に応じてくれたのだ。
そこで、どうして冤罪が起こったのか、高校生たちはテレビ局の人間にインタビューしながら探っていく。
もちろん冤罪被害の当事者からも話を聞いている。

結局は警察が犯人逮捕を急ぐあまりに、最初から容疑者扱いをしていたこと、それをそのままマスコミが事実として報道したこと、その際、まったく裏を取らず、真実かどうか検証することなく垂れ流していたことが問題だった。
そして当然それを鵜呑みにした市民が、通報者であるその人に嫌がらせをし始める。
無言電話や糾弾する電話をかけ、家に石を投げ、犯人扱いした市民たち。
彼らは彼らでマスコミに踊らされ、被害者の立場になり糾弾したのだろうけど。

まったくの無実なのに犯人扱いされた彼の気持ちというのはいかばかりかと思う。
彼の妻は重症で、結局意識が戻らないまま14年後に亡くなったらしい。

視聴者である私たちは新聞にしろテレビにしろまったくの事実だけを報道しているわけではないことを理解しなければならないと思ったわ。
まず疑う。
マスコミを絶対だと思わないこと。
違う視点で見ればまた違う真実が浮かび上がることもあるってことだね。
ネットでも同じ。
ネットにまことしやかに書かれていることが本当とは限らない。
裏も取らず噂だけでさも真実かのように書かれていることだって多い。

犯罪者を糾弾したくなる気持ちはすっごくわかる。
証拠がないからと言って逮捕されない犯人だって多いだろう。
人殺し!などと電話をかける人はどうあっても犯人を許せないと思ったのだろうしね。
それでも、他人を、たとえ本当に犯人だったとしても、やっぱり直接嫌がらせするのはどうかと思った。
特にマスコミの報道をそのまま信じて、糾弾しているのだとすれば猶更ね。

この映画では地元の小さなテレビ局は、他局が彼を犯人扱いしていても、彼は白かもしれない…という姿勢を貫いた。
裏が取れたものを報道するという局長(中井貴一)の考えによるものだった。
これが本当なのかどうかわからないけどね。
映画だから誇張されてるだろうし。

結局容疑者とされた彼は、逮捕はされていない。
だから厳密に言えば冤罪ではないという言い方もできるらしい。
それでも彼が被った被害は甚大なものだったと思う。
彼には子供が三人いたようで、きっと子供たちだって死ぬような思いをしたはず。
親が犯人扱いされ、しかもお母さんは意識不明、お父さんも具合が悪い中逮捕寸前、家には嫌がらせ、精神的にめちゃくちゃ大変だっただろうね。

冤罪の怖さってやっぱり風評だと思う。
自分は無実だとわかっているけど、周囲はそう思ってくれない。
特に警察は初めから犯人だと疑ってかかってるから、何を言っても信じてもらえない。
なんて怖いことだろう。
警察は味方だとなんとなしに信じてるとこあるからね。

松本サリン事件の一年後、地下鉄サリン事件が起こる。
この事件でようやく、カルト宗教集団が犯人だとわかる。
その前から、警察には匿名で、カルト集団の関与を仄めかす文書が送られてたらしいね。
これを信じていれば、もしかしたら地下鉄サリン事件は防げたかもしれないのに。

結構古い感じの映像なんだけど、食い入るように観てしまったわ。
ものすごく興味深かった。
松本サリンや地下鉄サリン事件を知ってるだけにね。
そういえば、無実の人がクスリ関係を持ってたせいで犯人だと疑われてたなぁと。
そのあと、どうなったのかとか全然知らなかった。

ほぼほぼ実話なだけあって、すごく怖かったし、マスコミが与える力も怖いと思った。
政府がマスコミを使って自分たちに都合のよいように報道させれば、私たちはいとも簡単に信じてしまうんだろうなって。

松本サリン事件のその後、事件の最中の出来事が知りたい方はぜひぜひ観て欲しい。
この事件を知らない方も、こんな恐ろしい事件があったと知って欲しい。
興味があればぜひどうぞ。

ルナ144.jpg

 

わたちも物が落ちたら疑われて…冤罪被害者にゃ!!

【本映画過去記事】
映画「STAND BY ME ドラえもん」ドラえもん初のCGアニメ。出会いから別れまで一気に…
本「あなただけに真実を」夫からのDVを受ける女性…しかし彼女の本当の姿は…
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これが原作かな↓




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コメント 5

ニッキー

えっと・・・物が落ちてて犯猫扱いは冤罪じゃないような気が^^;
by ニッキー (2015-11-09 14:20) 

ojioji

この映画、ぼくも見ました。
熱いレビューに共感します。
>犯罪者を糾弾したくなる気持ちはすっごくわかる。
>証拠がないからと言って逮捕されない犯人だって多いだろう。
だから、警察やマスコミの取った行動も理解はできます。
大事なのは、真相が判明した後で、間違っていた人たちがどう償うかだと思っています。関係者は、組織としてだけでなく個人としてもいろんなかたちで詫びて、名誉回復に最大限努めるのが務めかと。
当時、河野さん宅でいろいろな農薬が発見されたとか、さも一般人としてはおかしいみたいに報道されていましたが、ぼくの実家に並んでいた農薬と同じものも多く、何も知らない都会生活の新聞記者たちがいい加減なことを書いてと舌打ちしたものです。
その後も、似たような報道被害者が生まれているのが残念。
こうして語り継ぐことが大切なのでしょうね。
by ojioji (2015-11-09 17:47) 

youyou_s

>ニッキーさん そうなんですよ!絶対犯猫なのに知らん顔するんですよね。え?なにそれ?みたいな。
にゃんこの場合こっちが悪いみたいになるからなぁ。
こたつに足を突っ込んでにゃんこがいたら、何するにゃ!みたいな顔で睨んできますからねぇ。真ん中で寝てるから悪いのに…。

>ojiojiさま 確かにまんまと罪を逃れた犯罪者がいることも考えると、冤罪を怖がっていては犯人逮捕できない場合もあるでしょうね。
ほんとojiojiさまのおっしゃるとおり、罪を償えるのかってことですね。
報道の自由はあるけれど、やはり風評ではなく真実だけを報道する姿勢が欲しいです。
今でも冤罪で投獄されて何十年もあとに無罪になる方々が…。
万が一自分が冤罪で逮捕されたら、死ぬまで無罪を主張し戦い続けることが大事なんだろうなと思いました。
諦めたら終わりっていうか。
マスコミにしろネットにしろ情報過多の時代ですから、取捨選択を誤らないようにしたいものです。
by youyou_s (2015-11-09 18:27) 

mitsuya

ワタクシ達ってこんな大事件をリアルタイムで経験してるんですよね(¯―¯٥) 良いんだか悪いんだか……二度とこんな事件が起きませんようにm(_ _)m
by mitsuya (2015-11-10 10:55) 

youyou_s

>mitsuyaさん ほんとにそうですよね。たぶん今の子どもたちは教科書で歴史として習うような事件も経験してきてますもん。でもたとえば戦争なんかは伝えてくれる方々が徐々に高齢化で亡くなっていってます。
広島原爆経験者もそう。
なんかすっごく残念ですわ。
by youyou_s (2015-11-10 16:25) 

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